第1回連合音楽会 於 岸和田市民会館 
昭和40年10月27日


2・3年生が出場

すばらしかった音楽会 市民会館一杯に埋め尽くした各学校の代表の児童に交じって、今年生まれたばかりの八木分校の子ども達が前列の右端に席を控え、幼い胸をときめかせ、今か今かと自分たちの出番を待っている姿が最後列の一番上段の中程に立っている私の目に、いいえ、心にはっきりと響いてきました。
 その子ども達の後ろに両手を広げ、一人もこぼれ落ちないように見守って、全部の先生方がおいでになる。本当に胸が熱くなる思いで一杯でした。プログラムが進んでも、まるで自分がステージに立つほど落ち着かず、一番、二番はすんでしまい、いよいよ八木分校の番になった。毎日練習していただいていることは知っていても、ただの一回として聞かせていただいたこともなく、今始まった演奏にただ驚き感心いたしました。西の空が真っ赤に焼けた夕焼けの表現、何とも言えないカラスの鳴き声に始まり、可愛くて力強い演奏が流れてくる。木琴、鉄琴、ハーモニカの調和を壊さないように柔らかい斉唱を交え、2・3年生なのに5・6年生にも勝る演奏ぶり。「よくぞやってくれました。ありがとう」と何度か心の中で叫んでいました。夕日も落ちて、お月様が出、いろいろの虫がいろいろのリズム楽器で表現され、その間誰もが口ずさんで知っている虫の声のメロディーをオルガンで流し、弾むような太鼓との響きが今も耳の底に残っています。こんな素晴らしい演奏を終わってしまうのが惜しいような気がしました。周りにいるどこかのお母さん方に誰も知らないのに、八木分校の父兄であることが、何か誇らしげに思え、拍手を浴びてお辞儀をしている指揮をとられた先生、伴奏の先生、演奏をした子ども達に大声でありがとうと心で叫びました。これ程までにしてくださった先生方、他校なら2人・3人で分担するところを2人分3人分もやってくださっている数少ない分校の先生方に心からお礼を言いたく誇らしげに会場を後にしました。
                   (昭和40年12月21日発行 八木分校PTA新聞第4号掲載 保護者 岡村テイさん寄稿)